一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、とここまでは全部「つ」がつく。十以上は「つ」がつかない、つまり「つ離れ」。お客が一桁では情けない。せめて二桁のお客を前に一席ご機嫌をうかがいたいという、寄席の隠語。
一から十までの符牒は次の通り。
一 へい 平の字の一から
二 びき 反物2反を一匹という。
三 山(さん) 字画が3画
四 佐々木 佐々木家の家紋が4つ目
五 片(かた)こ 片手の指の数
六 真田 六文銭
七 田沼 意次の七曜星
八 八幡(はちまん)文字通りの八
九 際(きわ) 10の際
十 つ離れ
つ離れを願うのはなにも落語家だけじゃない。ワタシだって、千円札でもらう小遣いの枚数のつばなれを願って、今日も女房のご機嫌をうかがいたい。
補遺:こんな大切な馴染みのある「つばなれ」を国語辞典が収録していないのは怠慢ではなかろうか。あの広辞苑にもない。
0 件のコメント:
コメントを投稿