この大きな数字を見た瞬間に読める人は私のまわりには一人もいない。
だれもが一桁の6から左へ数えはじめる。イチ ジュウ ヒャク セン マン ジュウマン ……
と数えて、それでもイッセンマンあたりで分からなくなってしまって、
また、イチ ジュウ ヒャク と数え直す。
なぜこんなことに、しなくてもよい苦労をしなければならないのか。
それでなくても苦労の種はいくらでもあるというのに。
法的禁止ではないにしても事実上それに近くさせられている愚挙は
数字の表記法だ。万進法(四ケタ)の日本で西洋式の千進法(三ケタ)を当てはめて、全く無意味なコンマを打っている。まるで外国人のために
全日本人の日常生活を犠牲にしているようなものである。
(朝日新聞 1980/2/25)
そのとおり! まさに「愚挙」としか言いようがない。
毛利可信教授は「英語のスタイルにあわせたもので、日本人むきではない」と穏やかだがやはり異を唱えている。
日本人むきにコンマを打ちなおすと
469,7853, 4816 では即座に読める。
日本語ではどんなに大きな数字になっても何千何百何十何の4ケタ読みを
繰り返す位取りである。こうすればもっと大きな数字になってもなんの
苦労もなく読める。そろばんの位取りも4ケタごとに「・」が打ってある。
市井のそろばん教室ではこの4ケタごとの「・」をどのように
教えているのか。算盤協会なるものがあるかどうか知らないが、
3ケタごとにコンマを打つ表記法になぜ異を唱えないのか。
市井のそろばん教室ではこの4ケタごとの「・」をどのように
教えているのか。算盤協会なるものがあるかどうか知らないが、
3ケタごとにコンマを打つ表記法になぜ異を唱えないのか。
なぜこんな理不尽な位取りをしているのか。なぜ英語読みに隷従しているのか。
文科省は何を考えているのか。数字を覚え始めた子どもの興味をぐちゃぐちゃにしていることに
気づかないほど、イチジュウヒャクセンに汚染されているのに違いない。
愚かなことだ。
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