電報文「カネオクレタノム」です。
「カネオクレ、タノム」の解釈に対しては「田飲んだら百姓が困る」と
チャチャを入れて楽しんだものです。
このような地口で多くの子どもが語彙を豊かにしました。
今の子どもはこのような言葉遊びを教えられているのでしょうか。
裏千家の家元の意見です。
一息いれる場所。生活の中のあいさつとおなじ。
(京都新聞)
なかなかうがったことをおっしゃいますね。
金田一春彦さんは
日本語には句読点や「 」のしるしが発達しなかったと言われますが、
日本語の場合には句読点が、まあ、なくてもすむのです。つまり、漢字・平仮名の組み合わせによって、切れ目は平仮名の次に漢字が
来ていて、そこにあると見られるからです。
例:「七色の谷を超えて流れてゆく風のリボン」
(『日本語の特質』NHKブックス)
とおだやかに教えてくださいますが、「まあ、なくてもすむのです」と
のんきなことばかりではありません。読点の位置で極めて深刻な事例が新聞に載りました。訂正記事です。
悪性腫瘍も疑われます」とまぎらわしい記述をしてしまいました。
血友病は決して悪性腫瘍の一種ではありません。
(京都新聞)
なるほど、文を終わりにするのが句点(。)で終わりにするほどではないが
語句を断絶するのが読点(、)ですから、「血友病や白血病などの悪性腫瘍」と並べてしまえば、
血友病と白血病が並置されてしまいました。その結果、
血友病も白血病も共に悪性腫瘍ということになります。
ところが、「血友病や、白血病などの悪性腫瘍」とすれば、
「血友病」と「白血病などの悪性腫瘍」をテンで切り離すことができます。
血友病が悪性腫瘍と解釈される誤解を解くためテンを打ち、
「血友病は決して悪性腫瘍の一種ではありません」と訂正したのでしょう。
きっと関係者から指摘があったのに違いありません。
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