私の学校の運動会では数年前まで、児童は大きい順に並んでいました。
見栄を張ってのことです。大きい順に行進すると、小さい子は大きい子
の歩幅に、後ろからちょこちょこ走って、ついていっていました。
それで、小さい順にしたのですが、それでも問題がなくなっていない
ことに最近気付きました。
身長の順にならばされることが序列付けになって、子供たち、無意識のうちに一定の価値観を形成させているのではないかと思うのです。
小さいのはよくなくて、大きいのがいいという価値観です。とくに
男の子に強いようです。反対に女の子のほうはあまり大きくないほうが
いいという価値観を持つようです。
この意識が植え付けられて、一番小さい子は「ちび」とばかに
されたりします。せめて2番目になろうとします。大きい女の子は
小さく見られたいと、背を丸めて歩きます。
これらの原因すべてが学校の背の順にあるとは言えないかもしれま
せんが、日本人の価値観を左右する一因になっている気がするのです。
もし、体重の順に並べられたとしたら、誰もが怒り出すでしょう。
身長もそれと変わらないはずなのに、と私は思います。
皆さんは、どう思われますか。
(朝日新聞 2001/5/5)
この投書を読んですぐに思い出したことがあります。もう20数年前、
テレビの人気番組に『ひらけ ポンキッキ』がありました。幼児向けの
質のよい工夫がなされていたのがその人気の秘密だったのでしょう。
そのなかでこんなことがありました。
物の「長い短い」を教えたあとで、「高い低い」に移りました。
レギュラー出演の漫画家水森亜土とポール高木が並んで立つ。
水森亜土はとても小柄、ポール高木は大きく横幅もある。
水森は横に立つ高木を見上げて悲しそうに悔しがる。
高木はうれしそうにニコニコ笑っている。そこで水森が一計を案じ
木箱を持ってきてその上に乗る。まだ高木より低いのでがっかりする。
また木箱を持ってくる。まだ低い。がっかり。
それを繰り返してとうとう、水森が高木より背が高くなった!
水森がバンザイをして大喜び。高木はがっかりする。
細部は忘れてしまったがそんな内容でした。
(この項続く)
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