吉行淳之介 あなた、女性のほうは・・・ 赤線には、間に合いましたか。
立川談志 ええ、何とか。
吉行淳之介 古典落語のためには、あの世界がなくなったというのは
ぐあいが悪いね。
大宅壮一 トルコ風呂はどうですか。一種の赤線だがね。
立川談志 知らないんだ、ぼくは。
(『生意気ざかり』談志人生全集1講談)
内容の適不適はおいておく。
さてこの「トルコ風呂」もうすっかり死語・廃語になったと思っていたらナント広辞苑6版にあるではないか。ただし「蒸風呂の一種。ローマ風呂」とある。
よかった、さすがに昔の意味は削除されている。
されてはいるが「ソープランド」を見よとあり、その語歴がわかる。
トルコ人ヌスレット・サンジャクリさんは大の日本びいきの留学生だった。
1984年『日本語スピーチコンテスト』で1位になったが、そのテーマが
「トルコ風呂」。トルコの伝統的蒸風呂は健全なものであるのに、
日本ではいかがわしい風俗浴場の代名詞になっている。
ぜひこの呼称をやめてくださいと訴えた。
「ソープランド」と改称された。されどしかし、
名前をかえても内容は変わらないのは世の常。
韓国のトルコ大使館がマスコミにこの名称をやめるよう抗議。
韓国が名称を改めなければトルコにある売春街を「コリア・ハウス」と
名づける、と迫った。その後どう進展したか報道はなかったと思う。
トルコ風呂が消滅してしまった現在では、
アワ踊り 日本民謡とされているが原曲はトルコ民謡。
(ビックリハウス版国語辞典 大語海)
も解読しにくくなった。
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