2013年3月18日月曜日

バタフライ効果

 「地球のどこか、例えばアマゾンで一匹のチョウが羽ばたく。微弱な空気の振動が生じる。それが複雑な地球の気候システムの中で、やがて西インド諸島にハリケーンをもたらすことがあり得る」と新聞に解説がでていた。

簡単に言ってしまえば、諺の「風が吹けば桶屋がもうかる」式(ちょっと違うか)の波及効果のこと。あくまでも可能性の話だが、なぜか妙に気になる。

小説家も頻繁に引用する。

  「バタフライ効果っていうのはアレか。今日北京で蝶々がはばたくと、来月
    にニューヨークで起きる嵐の様子が変化する、とかいう理屈?」そうだ。
    不確定性に満ちた予測不可能な事象を研究対象とするカオス理論の入門書の
    冒頭で紹介される、有名で、人の興味を惹() きやすい術語である。

                『蝶』辺見庸 (『赤い橋の下のぬるい水』)
 

『ジュラシック・パーク』に登場したカオス理論を専門とする数学者も口にしていたと思うが、どのようなセリフだったかメモをなくした。
 

有栖川有栖『ブラジル蝶の謎』 はこれを噛み砕いてくれる。

  日常生活でも、誰かが「おかしい」と囁く。その囁きが大きなうねりとなって世の中を変える。投げた小石の波紋が次第に大きな波となるように。 
 

これもバタフライ効果なら、私もあなたも小さなバタフライになれそうだ。  


    蝶ひとつ出て動かすや雨の雲  梅玉
 
 

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