茨木のり子の詩に「詩集と刺繍」があります。
書店員に「詩集のコーナーはどこですか」と尋ねたら刺繍の本棚へ案内された。同音だから店員に間違いはないが、
女が尋ねたししゅうならば
刺繍とのみ思い込んだのは正しいか しくないか
こうせまられるとドキッとしませんか。このような思い込みはありますね。
私も同じ経験をしました。ワープロが出始めた頃、
使い方が分からずサービスセンターに電話しました。女性が出たので「操作が分からないので教えていただきたいのですが」
と告げて、待ちました。
女性が技術部門につないでくれるものと思ったからです。
女性が「はい」と言ったまま数秒何も言わないのです。
しばらくして、女性が「どういう内容かおっしゃってください」。
彼女は私が聞きたい内容を話すのを待っていたのです。女性だから電話の受け付けという固定観念を私は恥じました。
私の質問を聞くと、彼女は優しく教えてくれました。
言葉は意思を伝達する道具だとはよくわかっています。
でも言葉以前に私たちの言語理解を阻むものにどんなものがあるのか、気づいていないこともたくさんありそうです。
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