2012年12月15日土曜日

差し入れ


女優の菅野美穂さんはTVドラマ『坂の上の雲』に
正岡子規の妹役で出演しました。「一つの役を3年も
演じられるのは生涯一度の経験」と意気込んで、


    出番がなくても、自費で海外のロケ地を陣中見舞い
    訪れるほど、思い入れが強い。 


と京都新聞が伝えました。



「陣中見舞い」の言葉を久しぶりに見ました。近頃ではこの意味で
「差し入れ」を使うようです。「差し入れ」は本来は留置あるいは
拘置されている人に使う言葉だったと聞いたことがあります。


   滋賀県刑務所内の拘置施設から差し入れの本を返却する際、
手紙を隠して元妻の小林容疑者に公判で自分に有利な嘘の証言
をするように依頼。(京都新聞


このように刑務所を連想させるので、一般にはやはりこういう場合は
陣中見舞いのほうが心が伝わる気がします。


 ブランチミーティング用に早朝から手料理を作り、
   スタッフに差し入れることは日常茶飯事。   
                    (清野由美 『アエラ』


やはり「陣中見舞い」のほうが上品です。ですが、
ここでは仕事での会議ですから、つまり自分もメンバーの一員ですから、
差し入れも陣中見舞いも不適切なような気がします。
「気を使って用意する」あたりでしょうか。


国語辞典では拘置者へ品物を届けることを第一義とし、
仕事に精を出している人への慰問・激励として飲食物を届けること
の意味を広義・比喩としているのがほとんどです。





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