2012年12月7日金曜日

句読点 (一)

句読点は、読みやすくするための、あるいは、
意味の曖昧さを避けるための文章作法です。
だから、目上の人に書く手紙に句読点を打つのは、

「あなたは読むのに苦労なさるでしょうから、
読みやすいようにテンとマルを打っておきます」

を意味することになり失礼とされたそうです。
だから、昔の人は句読点を打たなかったのだ、と
漱石の何かで読んだ記憶があります。

 
事実を調べずしてあてずっぽうで言えば、
句読点そのものが発明されていなかったのでは
ないでしょうか。
テンやマルが使われるようになったのは明治の頃だと
聞いたことがありますが、明治は44年も続いたのだから
いい加減なことはいえません。

 
井上ひさしさんによれば、新聞社が全紙面で句読点を実施したのは、
朝日が昭和二十五年七月、毎日は二十六年一月、読売は二十八年一月か
らだそうです。(『ニホン語日記』文激春秋)


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