2012年10月19日金曜日

お子さまに教えてあげてください   

博多のキャナルシテーにある自然食バイキング店『ゆとりの空間』で
テーブルに置いてあったカードの言葉がしゃれています。秀逸です。

   お母さまへお願い
   ♠お子さまにお食事中のマナーを教えてあげてください。
   ♥お食事中はお静かにおねがいします。
   ♥全部残さずに食べましょう。


 
確かに、子どもを連れた親のマナーの悪さにはよく出会います。
私を指差して笑うのはよいほうで、バイキングでは肉ばかり取るのも
仕方ありませんが、それを食べ残す、テーブルを離れて私のデザートを
フォークで突きに来る、床に落としたスプーンを拾うので偉いなと
ほめようとするとポケットに入れてしまう。


 親はなにも注意しません。そこで
「♠お子さまにお食事中のマナーを教えてあげてください。」
のカードを立ててあるのだ、えらい! 
と店主を賛美したくなります。
でも、それでは店主の真意が見抜けていません。
それでは言葉の達人とはいえません。
 
子どもにテーブルマナーを教えるには
母親がマナーを知っていなければできません。
肘をついて食べている母親は、
肘をつくのがマナー違反だと子どもに教えることはできません。
 
 つまり、子供へマナーを教えてあげて下さいと訴えているのではなく、
母親自身がマナーを身につけてくださいと、そのカードは言っているのです。


正攻法の「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ではなく、
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」作戦ですね。うまいなァ。

そしてこのカードの2つの♥に本音が出ているところが傑作です。
なぜって、カードの最初に「お母さまへお願い」と書いてあるのですから。

 私たちはこのような箴言が言えるようになりたいものです。
そしてこのような、ホントは何を言っているのかが読み解ける賢者に
ならなければなりません。


賢者のレストランの博多を再訪したくなりました。

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