2012年10月10日水曜日

コングラチュレイションズ 

印刷会社の電子部門でバリバリ仕事をしている女子社員のSさんが結婚した。
T社の英和辞典を電子辞典にする大変な作業の最中のことだった。
その披露宴に祝電が届いた。T社の英和辞典の編集部からだった。
二人を祝福するさりげない言葉に加えて、
その英和辞典の congratulation の項のコピーが貼りつけてあった。
 

Congratulations!  おめでとう《努力して成功した人に贈る言葉. 結婚式の場
合、花婿には Congratulations! を普通に用い、花嫁には通例 I wish you great
 happiness. などと言うとされてきたが、若い人や親しい間柄では
 Congratulations (on your marriage)! も用いられる》

 
なんとも粋なお祝いではないか。
苦労して英和辞典を編集する人たちがいる。
それを電子辞書化する人たちがいる。
お互い会社は違うし、会ったこともない人たちだが、
チームワークで仕事を作り上げていくその一員への信頼と親しみと喜びを、
自分たちの仕事の一片で伝える。
言葉を大事にする編集者たちだからこその思いつき。

congratulationには「努力と苦労で勝ち取る成功」という含意がある。
男性はプロポーズして、女性に「うん」と言わせるまでに
涙ぐましい努力をするのだから、男性には使ってもよい。

 花嫁になる人に使ってはいけないというのは、
結婚相手を見つけるのに苦労したけどよかったね、
では女性には失礼になるという理屈。
 
言葉も脱皮する。新しい考え方が言葉を旧弊から解き放つ。

結婚した若い二人にCongratulations! を新しい袋につつんで贈った編集者たち。
私は彼らにこの言葉を贈ろう。 ブラボー!
 
 

 

 

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