2012年9月11日火曜日

ネコの耳


 全国で視覚に障害を持つ人はおよそ35万人(1998年当時)。
その内点字が読めるのは2割。ひとり暮らしをしている   
視覚障害者にとって困るのは
書かれたメッセージ。例えば、宅急便の不在連絡票。
留守をして帰宅するとポストに
入れてあるあの細長い連絡票。

これが目の見えない人には困るのだ、と聞いた宅急便のヤマト運輸の一女性社員。
そこで試行錯誤の末、連絡票の真ん中より少し下の両サイドに切込を入れた。其の切込みは、もちろん、クロネコヤマトだからΣ形のネコの耳。
これでどこからのメッセージかが文字通り「一触瞭然」。
でもこれもやっと1997年8月に始まったばかり。

だがしかしである。
これを実用化した先の女性社員は視覚障害者だった。 
健常者はいかに非健常者の困難がわかっていないか、
このような形で思い知らされる。
相手の立場になって考えよと小学校から教えられてきたが
いまだに実践できない自分が情けない。   

今日、近くのヤマトの集配所に行き、「ご不在連絡票」をもらった。写真のように現在はネコの耳は上部にある。係りの女性二人はこの切り込みの意味を知らなかった。

 

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