2012年9月14日金曜日

『ローマの休日』

   

Audrey Hepburn (オードリー・ヘップバーン) がアメリカの映画に初出演し
「銀幕の妖精」と呼ばれた1953年の映画。
オードリー扮する某国の王女が身分を隠しローマの街を天衣無縫に
可憐さいっぱいに駆けめぐる楽しい映画だ。
邦題は『ローマの休日』。Roman Holiday は訳せば間違いなく
『ローマの休日』だが、これでは真意が伝わらない。
 
 

手元の英和辞典で引いてみると Roman holidayとは、
他人を苦しめて得る娯楽、古代ローマで奴隷を猛獣と戦わせ王侯貴族が
これを見て楽しんだことから、他人の苦しみを楽しむこと、
と解説されている。

なるほどそういう目でこの映画を見ると、オードリーが可愛い可愛いと
うつつを抜かしてばかりはいられない。
金持ちのお嬢さんは好い気なものだとひがみたくもなる。
批判精神とユーモアがこのタイトルと映画全編にちりばめられている。
映画の題には思いもよらない意味が隠されている。
 

 ところが、である。帝劇の『ローマの休日』は
  アン王女とジョーの恋物語にてしまった。
 そのミュージカルで歌われる歌詞をみてみよう。

 アン王女 夏のローマ 光そそがれて
      言葉もなく見つめ合った それでよかった
      今はわかる この出会いの意味
 ジョー  けっして けっして
 二人   忘れないこの恋
 ジョー  君と重ねたこの唇の熱さが
      こんなに胸こがすけど
 アン王女 振り向かない
  ジョー  負けはしない
 二人   続く、これからの日々 ひとつひとつ
   アン王女 歩いてゆける 貴方がいる
 二人   たとえ、離れていても

 

好みの問題だ、リメイクだから目くじらを立てるほどじゃない、
と言われそうだが、やはり換骨奪胎といわれてもしかたない。

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